ケトン体検査は、体内のエネルギー代謝の状態を評価する重要な検査項目です。ケトン体は主に脂肪の代謝産物で、通常は少量しか産生されませんが、特定の状況下では増加することがあります。この検査は、糖尿病の管理、飢餓状態の評価、そして代謝性アシドーシスの診断に役立ちます。
このページでは、検査項目の意味や検査方法、基準値、異常値が示す可能性のある疾患について詳しく解説します。健康診断の結果が気になる方は、東淀川区の中城クリニックへお気軽にご相談ください。
- HOME>
- ケトン体
ケトン体の検査項目について
ケトン体
どういう検査項目なのか?
ケトン体検査は、体内で産生されるケトン体の量を測定する検査です。ケトン体には主に3種類(アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトン)あります。これらは主に肝臓で脂肪酸から生成されます。
通常、ブドウ糖が主要なエネルギー源として使用されますが、糖尿病などでブドウ糖が利用できない場合、体は脂肪を分解してケトン体を産生し、代替エネルギー源として使用します。
どうやって調べるのか?(検査方法)
ケトン体の検査方法には主に2つあります。
尿検査(定性検査)
最も一般的で簡便な方法です。専用の試験紙を尿に浸し、色の変化を観察します。
血液検査(定量検査)
より正確な測定が必要な場合に行われます。採血した血液サンプルを用いて、酵素法などの方法で血中のケトン体濃度を測定します。
一般的な基準値は?
尿検査
- ◎陰性(−):正常
- ◎擬陽性(±)または陽性(+、++、+++):異常の可能性あり
血液検査
- ◎総ケトン体:130μmol/L未満
- ◎β-ヒドロキシ酪酸:85μmol/L未満
- ◎アセト酢酸:55μmol/L未満
「異常あり」の場合に考えられる病気は?
ケトン体が高値を示す場合、以下のような状態が考えられます。
- 糖尿病性ケトアシドーシス:1型糖尿病や重症の2型糖尿病で、インスリン不足が顕著な場合に起こります
- 絶食・過度なダイエット:長時間の絶食や極端な低炭水化物ダイエットなどで起こることがあります
- アルコール性ケトアシドーシス:大量飲酒後の食事摂取不足などで起こることがあります
- 妊娠悪阻(つわり):妊娠初期の強い悪心・嘔吐により、食事摂取が困難な場合に起こることがあります
【ポイント】
ケトン体検査で異常が見つかった場合は、医師に相談し、必要に応じて追加の検査や治療を受けることが重要です。また糖尿病患者様は、定期的な検査と適切な治療により、ケトアシドーシスの予防に努めることが大切です。